なぜ富裕層は宝石、高級時計を持つのか?
なぜ富裕層は宝石、高級時計を持つのでしょうか?
趣味で持たれる方も多くいらっしゃいますが、その需要なメリットは資産の分散にあります。
資産の価値は可変的なものです。相場の変動に影響を受け、価格が上下します。
そのため、戦争や経済危機などが発生すると自ずと自分の資産の価値は下がる危険性があります。
もしも株、債券、不動産などの資産を1種類だけ持っていて、有事の際に価値が暴落したら生活ができなくなってしまいます。
したがって、資産を多く持つ人がなるべく多くの資産形態を持つことでリスク分散を行っています。
資産家が宝石や高級時計を保有するのはそのためです。もちろん、そういった資産も値下がりすることがあります。
しかし、多様な資産を持つことで自分の資産が全滅するリスクを下げているのです。
学ぶこと
我々庶民はそういった資産家から何を学ぶ出来るでしょうか?
①資産が少ない場合は分散することに意味が少ない。
1年間に稼げるお金は限られています。もし年収(手取り)300万円の場合、急にそれが1000万円になることは(転職しない限り)難しいです。
金融資産が100万円くらいであれば、すぐに貯めることができます。そのため、その100万円を10項目の資産に分散する必要はありません。
ところが、5000万円だったらどうするでしょうか?
年収300万円の人が苦労して貯めたお金であれば、すぐに貯めることはできません。資産が毀損することを恐れて、資産をある程度分散すべきでしょう。
②手に職を持つ
資産家は資産価値の細かな上下に関してはあまり興味を示しません。それは、急に資産を売却して物を購入する費用に充てることがないからです。
多くの資産家は、株や不動産など配当・不動産収入といった、いわゆる不労所得を手にしています。
お金が手元にある状態であれば資産価値の上下に一喜一憂する必要がないのです。
我々庶民はそこから何を学べるでしょう?重要なのは、毎月定期的に収入がある状態です。我々庶民はまずは、無難に手に職を持ちましょう。
できれば、正社員として法律に守られた身分で働くのが一番です。
昨今は、副業にも注目が集めっていますが、副業では毎月定期的に収入が得られるとは限りません。そのため、まずは本職をしっかりと持つことをおすすめします。
リスクの回避方法
以上のように一概にリスク分散や資産管理については誰しもに共通する基準はありません。その人の年収・年齢・家族構成などを踏まえた総合的な判断が必要なのです。
ここに、我々が資産の特性を理解すべき理由があります。こうした資産に関する知識なしに資産を管理してしまえば思わぬリスクにさらされる危険性があるのです。
そうした際に以下のことに気を付ければリスクは下げられるのではないでしょうか。
①リスクを理解する
資産にはなぜその物質や権利に価値があるか、という特性があります。例えば、土地を保有しているのであれば、その土地に建物を建てて、商売を営んだり住居として生活を営むことができます。
株式であれば、会社の行方を左右する重要な方針を決定する際に投票することができます(実質的には大株主が決定権を有していますが)。その反面、土地であれば地盤沈下、液状化現象、地震によって価値が急落する危険性もあります。
株式であれば、決算にこけて株の価値が毀損する状況がありえます。重要なのは、「どのようなことが起きれば自分の保有する資産の価値が下がりうるか」を把握する知識です。これは世界のパラダイムの変化によってもたらされる場合もあるので難しいです。
未来は誰にも分かりませんから。しかし、歴史を見ていけばその変化の過程は把握することができます。
②権利の性質を理解する
リスクを承知することは、権利の性質を理解することとほとんど同義です。よく、証券会社にとりあえず数千万円ほどの退職金を預ける顧客がいますが、それはよくないです。しっかりと自分で勉強してから臨むべきなのです。
それまで40年間汗水たらしてはたらいて、やっと得た対価であるところの退職金を、なぜ熟慮もせずに人任せにできるのでしょうか。証券会社の社員やシステム、ビルなどの資産はどのように築かれたのでしょうか?それは顧客が支払う手数料や成功報酬があるからです。
たしかに、証券会社は顧客の資産の維持・拡大に貢献している側面はあります。しかし、彼らはあくまでもアドバイスをするに過ぎないため、実際の注文は自分で指示しなければいけません。彼らは顧客の損失に責任を負われる立場ではないのです。
そうであるならば、自分の資産は自分でしっかりと管理できる知識を持たねばなりません。そのうえで証券会社を利用するのは大いに賛成です。
③自分を理解する
自分がどんな人生を歩むのか?そもそも日本に 国外には難しい。農業を始めるべきか。地方の山奥で自給自足の生活を送ることも十分に妥当な選択肢だと思います。自分が目指す人生、帰着しそうな人生、今後社会など大きな環境に生じる変化などを総合的に踏まえなければ上記の判断はできません。
突然の変化は実際に起こりえます。急にけがを負ってしまったり、宝くじがあたったり、配偶者ができたり、失業したり、政治社会に大きな変容が起きたり。。。様々な予測不可能な事象が起きうるのです。
そうした変化に翻弄されるのは仕方ないですが、もしもそれらに心理的準備ができるのであればそれに越したことはないです。